ひき逃げと当て逃げ | かんたん自動車保険ガイド






ひき逃げと当て逃げ










交通事故による死者は昭和45年ごろをピークに減り続けていますが、事故件数そのものは平成15年ごろにピークを迎え、平成17年からは毎年減少し続けています。ひき逃げ事件も同様で、平成15~16年頃が最も発生件数が多く、その後は減り続けています。

一方、ひき逃げ事件の検挙率は平成8年以降下降線をたどり、平成17年ごろからようやく上昇に転じます。平成24年時点で死亡事故こそ98.8%と高い検挙率を誇りますが、重傷事故では約67%、軽微な事故では49%と低迷しています。これは死亡事故の捜査を優先するためと考えられますが、ひき逃げでケガを負った場合は犯人が捕まらず、自動車保険からの損害賠償金が支払われないケースが少なくない、ということになります。

自動車保険が適用できないひき逃げの被害者救済に関しては、保険に代わる政府の補償事業があります。補償内容は自賠責とほぼ同じで、手続きに必要な書類も自賠責保険の請求と同じものが必要です。ただし、自賠責保険と違い、支給されるまでに3か月ほどかかります。なお、任意保険の人身傷害保険に加入しており、そちらから保険金の支払いを受けた場合は、政府の補償事業からは支給を受けられません。逆に政府事業から補償金の受給を受けた場合は人身傷害などの任意保険から支払いを受けることができません。

ひき逃げ事故に関しては政府の補償事業による救済が受けられますが、物損被害だけの当て逃げ事故の場合は公的な補償はありません。当て逃げ事故の場合、使える自動車保険は車両保険のみです。ただし、車対車に限定された車両保険では、相手の車が確認できない当て逃げ事故は補償の対象外となります。車両保険を車対車にのみ限定すると保険料は安くなりますが、相手が特定できない事故では保険金が支払われないので注意が必要です。

また、車両保険には免責金額(1回目の事故5万円、2回目10万円などの自己負担金)が設定されているのが普通です。さらに、車両保険を使うと自動車保険の無事故等級が下がり、翌年の保険料が高くなりますから、損害の軽い事故では車両保険を使わないほうがよい場合があります。

駐車場などで知らない間にぶつけられ、車両保険での修理には免責金を支払わねばならず、さらに翌年の保険料は割高になる…。当て逃げによる損害は理不尽なことばかりで本当に腹立たしいものですが、現実に対応できる自動車保険は車両保険だけですので、万一のことを考えるならば限定条件のない一般の車両保険に加入しておくしかありません。